Balletweek Magazine

NEW 2026.4.6 更新

~発表会ルポ~

STUDIO MARTY 9th PERFORMANCE 2026


 

 

STUDIO MARTY 

9th PERFORMANCE 2026

『ラ・バヤデール』

 

2026/3/21(土)

@相模女子大学グリーンホール 

 

 

  開校15年のバレエスタジオ、「スタジオマーティ」での第9回大人オープンクラス発表会が相模女子大学グリーンホールにて開催されました。初めは少人数だった当スタジオも15年経ってメンバーの数も増え、長年続けている生徒も多くなり、個々のレベルも年々上がり、発表会ではクラシックバレエの代表作を全幕にて公演できるようになりました。前回の『白鳥の湖』に続いたのは、『ラ・バヤデール』でした。『ラ・バヤデール』は、古代インドを舞台に繰り広げられるドラマチックな物語です。異国情緒あふれる寺院や豪華な宮殿のシーン、そして幻想的な影の王国のバレエブランが有名なこの作品は、ストーリー性を楽しむことはもちろん、ダンサーの見せ場も多く盛り込まれた見ごたえのある名高い作品です。

 

  今回はこの大作に大人スクールを中心としながらマーティグループの様々なメンバーが加わり、よりクオリティの高い舞台が完成していました。スタジオマーティ講師である10名に加え、賛助出演ではマーティの運営するバレエ団「MBD(マーティバレエダンサーズ)」などからのメンバー、子役にスタジオマーティこどもバレエスクール2校からの選抜メンバー、そしてプロフェッショナルの男性ゲストダンサーが加わり、豪華な全幕作品となりました。大人バレエスタジオの発表会で、このような大規模で贅沢な舞台構成は組織の大きいマーティグループだからこそ実現できたといえるでしょう。普段はそれぞれのスタジオで練習を積み上げているダンサーたちが舞台成功という同じ目標を持って一丸となり、新たな舞台を作り上げていく素晴らしいパワーを見せてもらった気がします。

 

  舞台は古代インドの大きな寺院の中庭に、聖なる火が灯っているシーンからスタートしました。聖なる火に祈りを捧げる儀式では、男性ダンサー6人によるファキール(苦行僧)の力強い踊りが舞台を一気に異国情緒あふれる古代インドの世界に引き込みました。

 

 ニキヤ役は スタジオマーティの講師として舞台を引っ張っていく島田久与、ソロル役は牧阿佐美バレエ団プリンシパルの清瀧千晴でした。二人の伸びやかなパ・ド・ドゥは観客を魅了する一方で、ニキヤに思いを寄せる存在感ある大僧侶バラモン役はスタジオマーティ三田慶応講師のクズミッチ・アルチョム。二キヤとの心のすれ違いも明確に演じ、踊られ、ストーリーの分かりやすい舞台となっていました。 

 また、こどもスクールの小さなバレリーナたちによる元気で楽しい踊りや大人スクールの舞姫や女官、ジャンぺの踊りなど、大人バレリーナたちの笑顔輝くような踊りも披露されました。

 

 ガムザッティ役は出演者オーディションで決定した寺西優希。高貴な振る舞いを感じさせる安定の技術で、煌びやかなガムザッティを演じる姿が印象的でした。


 第2幕のガムザッティとソロルの婚約を祝う宮殿での宴のシーンは、より舞台美術が豪華で美しく彩られていました。

子供スクールのお父様と娘さんの親子共演、ご夫婦の共演、お母様と息子さんの共演などもあり、可愛らしく心温まるシーンが盛り込まれているのも、多くの方々で構成された発表会ならではの良さを感じさせました。

 

 第3幕はバヤデールの代名詞ともいえる影の王国のシーン。大人生徒のみなさんとプロダンサーが一つになった32人のコールドで構成されていました。プロダンサーと一緒にリハーサルできることは生徒のレベルアップにも繋がり、そして貴重な体験にもなっていたということを感じられる出来の舞台となっていました。

 

 今回の舞台監修は大人オープンクラス講師であり、MBDのディレクターでもある吉田むつき先生でした。この作品を作るにあたり、こだわった部分や舞台の感想をインタビューしました。

 

バレエウィーク(以下BW):今回この作品に決めるまでの思いと、すでに9回目となった発表会ですが、今回の目標はどのようなものだったのでしょうか?

吉田:「バヤは無理かな……」

 言い出しっぺにもかかわらず、そんなふうに思っていました。

『ラ・バヤデール』はバレエの歴史に燦然と輝く、私も大好きな傑作バレエです。しかし、衣装や小物、舞台装置が多く、手間暇がかかる、たくさんの人に出てもらえるほど踊りのバリエーションがない、コールドも大人数になるから動きを揃えるのが難しい……などなど、発表会で全幕を上演するにはとてもハードルが高い点もある作品です。そのため上演するとしても2幕だけ、あるいは2幕と3幕だけとなる場合が多いです。しかし最もストーリー性がある1幕を省いた構成にはしたくない。そこで思い切って全幕を上演することを決心したのです。「今回の演目はラ・バヤデール全幕です!」と発表した時は、生徒さんたちは大喜びしてくれました!

 また今回の発表会には、もうひとつ大きなテーマがありました。それは、「チーム横浜をもっと強く、大きくすること」です。もともと先生方も生徒さんたちも仲が良く、一体感のある「スタジオマーティ新横浜・横浜反町」です。その絆をもっと強く、もっと大きなものにすることが、私が密かに抱いていたテーマです。そのために先生方に無理をいい、衣装さんに無理をいい、舞台監督に無理をいい、事務方のみなさんに無理をいい……、そしてもちろん生徒さんたちに無理をいいました。

「あれをこうしたい、これをこう直したい」、それは私のわがままかも知れませんが、頑張るといってくれた生徒さんたちと一緒に最高の舞台を作り上げたい。その思いで今回ばかりは心を鬼にして思いの丈をぶつけてきました。もしかしたら、普段から鬼だと思っている方もいらっしゃるかも知れませんが……(笑)‼

 

BW:舞台当日、そして終演後の吉田先生のご感想を教えてください。

吉田:当日のゲネプロでも、ギリギリまで上を目指して手直しをし、檄を飛ばしました。結果、本番はこれまでの中で最高の出来になったと思います。その証拠に、終演後も、それから何日経ってからも、たくさんのお客様に「すばらしかった」とのお声をいただきました。そしてなによりも、生徒さんたちの満足そうなお顔がそれを物語っていると思います。

 

わたしの期待に応えてくれてありがとう。

わたしの予想を超えてくれてありがとう。

最後まで諦めないでくれてありがとう。

次の舞台もまた一緒にやりたいと思わせてくれて、ほんとうにありがとう。

そのような思いで胸がいっぱいになりました。

 

BW:初めは難しいと思われていた『ラ・バヤデール全幕』でしたが、みなさんの諦めない姿勢により、大成功の舞台となったのですね。大人スクールの生徒と、そしてそれをサポートする先生方とMBDのバレエ団メンバーや子供スクールのみなさんなど、新横浜・横浜反町スタジオの力の結束が見えるような素晴らしい舞台を堪能させて頂きました。次回のみなさんの成長も楽しみにしています!

 

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