ダンス公演レポート

NEW 2026.7.4 更新

~感動の舞台~

ダンス公演 ゲネプロ取材REPORT


 

ダンスカンパニーDAZZLE

結成30周年記念公演

花ト囮ー露ー

(はなとおとりーあらわー)

 

『狐の嫁入り』を見てしまった兄弟の絆と運命をめぐる物語

 

2026.7.2(木)ゲネプロ取材

(公演:7.2~7.12)

@あうるすぽっと

 

 

 ダンスカンパニーDAZZLE(ダズル)が結成30周年を記念し、7月2日(木)~12日(日)まで、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて『花ト囮(はなとおとり)-露(あらわ)-』を上演。この作品は2009年の初演後、何度も再構築されながら上演され続けててきたDAZZLEの代表作である。DAZZLEはストリートダンスとコンテンポラリーダンスを掛け合わせたような、独創性あるダンススタイルで人気だ。2026年の『花ト囮』ももちろんそのスタイルを踏襲しながらも、さらにブラッシュアップされた演出で幕を開けた。

 この作品は単なるダンスステージではない。ダンスを表現手段として、台詞や音楽に合わせて物語を紡いでいく。ダンスステージというより、もはや演劇か、または文学なのか、と思えるようなジャンルの垣根を飛び越えてさまざまなスタイルを融合して作り上げられた一つの舞台のようにも感じる。謎が多い物語の設定にも、ダンスの力強さにも、そして細部まで考えつくされた色彩、小道具、舞台の演出やハッとする舞台転換にも、とにかく最初から最後までずっとゾクゾクするような舞台だったというのが第一の感想である。観客は五感と心が揺さぶられ、来たことがない世界に迷い混んでしまったような、そんな感覚で舞台にのめり込んでしまうだろう。

 

 この『花ト囮』の物語は「狐の嫁入り」という日本の神秘的かつ不思議で、恐怖をも併せ持つような言い伝えを軸に創られている。見てはいけない「狐の嫁入り」を見てしまうところから、二人の兄弟の怪奇的な物語が始まる。特別な血を持っていたため、特別なお役目を果たしに行く兄弟を待ち構えているのが、妖しい屋敷での血を捧げるという任務であった・・・

 

 舞台は神秘的な空気感を感じる森の中と、おどろおどろしい屋敷の場面を中心に、和を感じさせるいくつもの小道具を使った特徴的なダンスなどにより、兄弟の物語が進められていく構成だ。

 

ダンスには「狐の嫁入り」に欠かせないモチーフである和傘や雨、灯りなどを上手く取り入れ、ダンスに詳しくない人にとっても常に楽しめる面白さと趣き、そしてハッとするような演出とDUZZLEらしい振り付けが印象的である。和傘の踊りは赤と白の色彩のコントラストを照明演出も上手く利用し、傘の高さや回転の速さなどの違いを巧妙に使い、素晴らしい舞台空間デザインが出来上がっていた。

 そういえば、舞台冒頭のセッティングは真っ暗な舞台のセンターに兄弟の様に大きさの違う真っ赤な彼岸花が2本。そして下手壁には上から流れ出てくるような真っ赤な彼岸花が敷き詰められていた。赤と白、赤と黒の色彩のコントラストは、この物語の核となる「血」を表しているのかもしれない。このようにいたるところに『花ト囮』の世界観が表現されているところもゾクゾクする要素である。

 

  また、日本文化を表すアイテムとして障子戸4枚を使ったダンスナンバーでは、平面的な障子と立体的な身体の動きが交差するような構成が面白く、さらに順々に開いていく障子戸の奥にそれぞれ繰り広げられているシーンのかけらは漫画のひとコマひとコマを見ているかのようでもあり、それを目で追うのも非常におもしろい演出だ。その後障子のダンスから一気に障子戸を閉めて影絵のダンスとなる瞬時の転換も驚きを感じさせられ、思わず息をのむ美しさであった。その他、紐暖簾の間から手の動きだけで表現するユニークなシーンも楽しみの一つだろう。

 

 見てはいけない「狐の嫁入り」を見てしまったところから始まった不可解な話ーーーそれはまさに映画や演劇を観ているようなダンス公演である。さらに、時折見せるホリゾントや傘・障子などに映し出される「文字」の存在感も大きく、文字で綴る視覚的なものと音、動きの融合が舞台空間で絶妙なバランスを取っていた。

 

 物語の終盤では、回想シーンの様に時折出てくる兄弟それぞれの描かれていなかった部分を観ることになる。それぞれの思惑が少しずつ露わになっていき、謎が解けていく様子が面白い。

生と死をめぐるこの残酷な物語、気になる兄弟の行く末は・・・劇場にて確認してほしい。

 

唯一無二の演出であるこの『花ト囮ー露ー』、ダンサーからの様々なエネルギーを劇場で是非体感してみてはいかがだろうか。

 

 

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◆◆◆公演情報◆◆◆

新たな演出手法と構成により、12年ぶりのDUZZLEの代表作再演!

14公演上映中

DAZZLE 結成30周年記念公演

「花ト囮 - 露 -」

HANA to OTORI - arawa -

 

  日程 2026年7月2日(木) 〜7月12日(日)

   会場 池袋あうるすぽっと

 

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ダンスカンパニーDAZZLE

 

1996 年に結成、「すべてのカテゴリーに属し、属さない眩さ」をスローガンに掲げ、独創性に富んだ作品を生み出し

続けるダンスカンパニー。ストリートダンスとコンテポラリーダンスを融合した世界で唯一のスタイルを追求し、映画・コミック・ゲームなどのジャパニーズカルチャーの要素を積極的に取り込んだ物語性の強い作品を創り上げている。一部のダンス好きのみならず、より多くの人々にダンスを届け、楽しんでいただけるよう、先鋭的な手法を駆使してその可能性を広げ、「開かれたダンス」の実現を常に目指している。ダンスエンターテインメントの日本一を決める「Legend Tokyo(2011)」にて優勝した他、代表作『花ト囮』は演劇祭「グリーンフェスタ」にてグランプリ・若手演出家コンクール優秀賞を受賞するなど、ダンスのみならず演劇界からも高い評価を獲得。海外公演も積極的に行っている。

 

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